パラレルワールドで楽しむオシャレ~メタバース市場とNFTについて考える~

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News Connect~あなたと経済をつなぐ5分間~というpodcastを毎日通勤時に聴いています。
今回、「#rens」というブランドのスニーカーを買うと、メタバースで履ける靴がプレゼントでついてくるという話題が出て、???(なんのこっちゃ?)となりました。
しかし、よくよく話を聴くと面白そうなので、ちょっと調べてみました。

メタバースって何

今更の情報の羅列、申し訳ありません。

Metaverse(メタバース:超(meta)と宇宙(universe)を組み合わせた造語)という言葉だけを聴くと「何だ何だ」と疑問符がいくつも出てくるのですが、すでに私たちは経験済みかもしれません。

いわゆるプログラム上の仮想世界あるいはそのサービスであり、そこに自分の分身である「アバター」で参加して、色々な活動をするものです。

古くは「ドラゴンクエスト」、「ファイナルファンタジー」や、最近では「あつまれ どうぶつの森」や「フォートナイト」…オンラインで参加するRPGゲームなどはメタバースの一種だと思われます。

そういえば、Facebookも昨年、社名を「Meta(メタ)」に変更しましたが、それもメタバースなどへの進出を意識してのことだそうです。

メタバースのお買い物

メタバースにおけるショッピングモールというものも既にあって、そこで実際にお買い物ができるそうです。
ネットショッピングと何が違うのでしょうか?

このサイトにわかりやすい図がありますが、以下のような利点があるとのこと。
・世界中の友達(のアバター)と一緒に買い物ができる
・敷居の高いショップにも気兼ねなく入って買い物ができる
・店員さん(のアバター)とも、チャットでコニュニケーションができる

確かに…。
ネット環境が整って、自分のアバターが世界中の友達と一緒に、普段到底入れないような素敵なショップでサクサクお買い物できるなんて、面白そうですね。

フィンランドで生まれたサステナブルスニーカーとNFT

#rensの特徴

「#rens」はフィンランドのブランドだそうです。

調べると、このスニーカーは竹から作ったレーヨンと、コーヒー粕から作った消臭繊維と回収ペットボトルからできていて、海外のクラウドファンディングで1億3000万円を集めて開発されたそうです。

防水性、通気性、消臭効果などを兼ね備えた「オシャレな多機能サステナブルスニーカー」です。

rensのHPより 「#」のロゴが印象的ですね

#rensを1個買うとNFTを付与したデジタル#rensをもう1個プレゼント…って

サイトには靴ではなくてパーカーで適用されていたのですが、このパーカーを実際に1着買うと、メタバース上でアバターが着ることができる希少な限定モデルのパーカー1着とNFTが付与されるという仕組みらしいです。

NFTというのは、いわゆる仮想通貨におけるブロックチェーンと同じような電子認証システムです。

最近デジタルアート作品が高額で取引され、投機目的にも利用されているという話題が取り上げられていました。

要はデジタルアートなどは容易にコピーできてしまうので、以前はそれを完全に独占することも、それが唯一無二のものであると主張することもできませんでした。

そこで、その作品にNFTを適用させた結果、実際の絵画のように世界で1枚しかないことを保証するとともに、それを持っている人の所有権を保証することができるようになりました。

そうすることでデジタルアートの希少価値が高まり、他のアートと同様に取引や投機の対象となり得た訳なのです。

今回のケースでは、パーカーを買ってくれた人に、メタバース上で購入者のアバターが着用できる限定デザインのパーカーをデジタルデータとして1着、所有権とシリアルナンバー情報とともにNFTを付与し、電子認証した上でプレゼントするというものでした。

買った人はもちろん現実世界でそのパーカーを着るのですが、同時に、繰り返しになりますが、自分が参加しているメタバース空間で、自分のアバターにもそのパーカーを着せて、活動することができます。

そして、そのパーカーは#rensが認めた限定モデルであり、その人以外は誰も持っていないレアなものであるということをメタバース上のコミュニティーで皆に知らしめることができるという仕組みです。(Awesome,isn’t it? )。

最近、有名ブランドもメタバースファッションに進出してきています。

例を挙げると、プラダも実物のシャツを購入すると、NFTアート作品がもらえるという企画を発表していて、アイテムの付加価値をNFTでさらに向上させる取り組みを始めています。

このケースは比較的受け入れやすいメタバース市場の一例では

先述したオンラインゲームには「課金」というシステムがあります。

これはメタバース内でアバターが使用する様々な架空アイテムやサービスを実際のお金を出して買うことです。

大人も子供も夢中になって架空商品を買い、メタバース提供側も課金しないとたどりつけない特別なステージを用意して購買欲を誘います。

実際に、アバターが身に着ける様々な架空ファッションアイテムも販売されており、それを買うとアバターの外観がとてもカッコよくなります。

一方それを買わないと、アバターはずっとデフォルト(初期設定)の外観のまま(ドラゴンクエストで例えると初期装備である「ひのきのぼう」と「ぬののふく」)であり、それに対してやはり劣等感を抱くのだそうです。

そうなると、メタバースファッションにおける購買の原動力は、優越感と自己顕示欲でしょうか?
ファッションのサイトではメタバースファッションを纏うことについて「新たな自己表現」という記述がありましたが、それも一理あるかもしれません。

ただ、なかなかそれだけでは、まだまだメジャーな市場にはならないのではないかと思います。

そういう点で、今回のように実物の商品と連動させ、本物の商品を得ながら、さらに唯一無二のデジタルコンテンツも所有し、インターネット空間でそれを享受できるというのは、お得感があるかもしれません。

メタバース市場に誘導するためのキャンペーンとしては有効でしょう。

今のところ、メタバース商品は実物に抱き合わせて認知度を上げている段階かもしれませんが、そのうち立場が入れ替わる可能性も考えられます。