こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。
ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、「あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?
詳細はこちらの診断メニューをご覧ください。
またお申込みやご質問はこちらのお問い合わせからどうぞ。
*****
今回は生成AIとファッションを掛け合わせた面白いビジネスをしている株式会社OpenFashion (旧株式会社OMNIS)のクリエイティブな取り組みについて考えました。
AIによるファッション産業のAIXを目指すOpenFashionの取り組み
オープンイノベーションの場を提供
元々はこちらの記事(PRTIMES 9/8日記事:AIが導く革新的なデザイン体験 学生たちの発想から生まれた作品を掲載した「OpenFashion Design Prompt Book #3」を無料リリース)です。
この会社はもともとは月額ファッションレンタルサービスを提案していたようですが、今はそのサービスはクローズしています。
そして現在は、AIで創造した2次元アートをプリントしたTシャツなどをaccelerando.aiというブランドサイトで、リアルで販売しています。
しかし、会社概要を見ると、この会社の事業はもっと視野が広く、「生成AI技術を活用したファッション産業のAIX(AI・トランスフォーメーション)」との記載があります。
つまり、この記事(おしゃれに向き合う人達 part① ~3Dモデリストとは~)でも取り上げていますが、この企業も、AIによるDX(デジタルトランスフォーメーション)=AIXを掲げています。
AIを活用することで、ファッション分野における新たな製品やサービスの提供、顧客価値の創出を通して、社会制度や組織文化を変革するというのが真の目的です。
そこで、この企業は、国内外にむけて誰もがAIを活用したファッションに関するデザインやアイディアを広く発表できるプラットフォームをいち早く提供することを考えました。
このプラットフォームが活性化することで、ファッション界のイノベーション創出を目指しています。
まずは「AI FASHION CHALLENGE」というデザインコンペを定期開催し、AIの可能性を視覚的にプロモーションしています。

プロンプトの創造と組み合わせでイノベーションを創出する
一方、Design Prompt Bookという新しい形態の事業モデルも模索しています。
今回の記事は同社の取り組みの第3弾(#3)にあたります。
国際ファッション専門職大学の授業の一環ということで、お題は「画像生成系のAIアプリケーションであるMidjourneyを使用してバッグをデザインする」だそうです。
詳しくは以下をご覧いただければと思いますが、面白いデザインばかりで発想の柔軟さに驚きます。

ここで、学生さんたちのインタビューにもあるのですが、「そのデザインを表現できる適切な言語を選ぶことが難しかった」と仰っています。
もちろんデザイン画にもコンセプトというか獏としたキャッチコピーというようなものが添えられていたりもするのですが、それはあくまでもコンセプトだけであって、それだけではモノはできません。
AIにモノづくりをさせようとするのであれば、コンセプトを素材やデザインなどに落とし込む必要があり、それは歴史的背景や、その分野の特化技術、専門用語などを駆使することで精度が高まるのではないかと思いました。
AIは何でも知っているけれど、目的に応じて適切な情報を引き出せるかどうかは 言語、つまりここでいう「プロンプト(AIに投げかける指示や質問)」に掛かっているのではないかと思いました。
そういう意味で、このDesign Prompt Bookのキモは「プロンプト」あり、これに着想を得てさらに革新的なデザインが生まれ、総体的にファッション産業が発展していく….そう考えると、プロンプトそのものや、その順番、組み合わせなどは新たに知的財産としてカテゴライズされてもおかしくないのでは…とも思いました。

by the whale’s swimming sky.(クジラの泳ぐ空をイメージした、オプアートでいうところでいう透明感のある近未来的なバッグ)という部分
AIスタッフとツールでプロジェクトを推進できる法人向けアプリ「Maison AI」
このサービスはファッションに限定されないような気もしますが、文章生成AI、画像生成AI、チャット機能AIなどを駆使し、あるプロジェクトの起案から企画、設計、生産、プロモーションまでをクローズドな場で完結できるというのが、このアプリの特徴です。
面白いのは、それぞれの機能を、その機能を発揮するAIスタッフとして常駐させて必要なときにそのスタッフ(ここではAIエージェントと定義されています)に仕事をさせるという考え方です。
これも当然どのようなスタッフや機能を加えるのか、「プロンプト」で指定する必要があります。
ここに事例として示したものがありますが、ちゃんと広報や人事、法務のスタッフもあったりして面白いです。
それぞれそのプロジェクト用に最適化された仕事をするように「プロンプト」で指示されたスタッフです。


ファッション産業のAIXプラットフォームとしてのOpen Fashionに期待
この会社のすごいところは、技術を囲い込むのではなくて、まずは広く使ってもらって周知してみるという実験的試みをしているところだと思いました。
このプロンプトブックを見ると、学生さんが、頭の中のイメージを必死でAIに言葉で伝えようとした努力が垣間見えます。
ニュアンスではなく正確に自分の考えをはっきり伝えることの重要性は、グローバル社会において不可欠であるといわれて久しいのですが、AIの台頭によってますます言語化能力が大切になっているといえます。