リネンとサテンの馴染ませコーデを考える(FPSS12期コラボ企画ーNo.1)

装いと科学

こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、
あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?

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FPSSを卒業した12期メンバーで久しぶりに近況報告をしました。

20代~50代(←これ私ですね💦)と色々な年代が集まる4名の個性的なメンバーの中で、何かお互いに協力してやれることはないかと話し合っているのですが、

そんな中、恩師久野先生のpodcastの話が出て、これを具現化してみよう!ということになりました。

あいにく私は、サテン素材のアイテムを一つも持っていなかったので、なかなか検討は進んでいませんでした。

そんな中、同期のKeiさんが一番乗りでお題を完成!

Kei’s クローゼット 「リネンシャツとサテンスカート、なんだか合わない気がする?」より抜粋

まさに開襟白シャツと淡いピンクのサテンフレアスカートを使って詳しい解説と改善コーディネート案を作成していました。

カ・ン・ペ・キ!

私もいっちょ考えてみました!

しゃりしゃりのリネン生地と艶ピカのサテン生地をうまく合わせよう

リネンというのはこの記事リネンが急騰 ~あらためてその作り方を調べてみました~」でも紹介しましたが、麻からできている優しい風合いのサラサラした生地で、光沢はありません。

一方、サテンというのは、絹や綿、ポリエステルなど素材自体は選ばないのですが、朱子織という織り方で作られた生地のことです。しなやかで独特の光沢の強さが特徴で、ドレスなどの生地に使われたりするかもしれません。

リネン
サテン

質感的には真逆な特性を有するこれらの素材は、確かに一見、組み合わせにくいように思います。
(私も積極的には組み合わせないかもしれません)

それはなぜでしょう?

というのが、リスナーの方からのご質問でした。

久野先生の回答として、まずコーディネートはファッションアイテムを構成する3つの要素、すなわち「色」「質感」「形(デザイン)」で総合的に考えることができます。

また、「質感」と「形(デザイン)」は時に連動するということがあります。

今回のように、リネンはその質感から想起されるイメージから、洋服の形もやや中性的(直線要素が多い)、質素でリラックス感のあるデザインのアイテムが多く、

サテンもその質感から女性的(曲線要素が多い)、豪華でフォーマル感のあるデザインのアイテムが多い傾向にあります。

それを踏まえつつ、両者の共通項を「形(デザイン)」「色」という視点でできるだけ合わせることで、3つの要素のうち2つの要素を調和させるというのが1つ目の解でした。

また、2つ目の解としては、対極にある両者の「質感」の間に、例えば、リネンとサテンの中間的な質感の素材のアイテムを取り入れることで、バッファー(緩衝)要素でギャップを埋めるというものでした。

先生の回答も踏まえつつ、私も考えてみたのでした。

解1:「質感・色・形」の3要素のうち2つ以上を調和させる

左がリネンシャツとサテンスカートの組み合わせです。

画像で見るとそこまでおかしくはないかもしれません。

しかしリネンのシャリシャリしてドライな風合いとサテンのツルっとしてシットリした風合いと相まって、両者のデザインとそこから醸し出されるイメージのギャップが大きいことが分かります。

つまり、リネンシャツが中性的でリラックス感に満ちているのに対し、サテンスカートは女性的でパーティーにでも着ていけそうなフォーマル感に満ちています。

これだけだとどうも似合いづらいと言わざるを得ません。

しかし、これを例えば、トップスを比較的カッチリしたリネンベストに替えて、さらにボトムスを黒のロングスカートに替えたことで、全体的に中性的でフォーマルなイメージに揃えることができ、質感のギャップが低減し、だいぶ似合いやすくなりました。

解2:バッファー(緩衝)要素を取り入れてギャップを埋める

というわけでそのまま着ても、そんなにおかしくはない程度になったかと思います。

では、さらに質感と質感から想起されるイメージに着目して、もう少し踏み込んで工夫します。

質感のギャップを調整する

例えば、左のコーディネートだと、人工的な要素はサテンのスカートだけなので、いつもより濡れたような艶のあるメイクを施すことで、サテンの質感を持つ要素の比率が増え、バランスが整います。

さらに、レザーやプラスチック、メタルのアクセサリーやファッション小物などを加えることで同様の効果が期待されます。

また、艶のないリネンと艶のあるサテンの間に例えば、半透明なシアー素材のアイテムを取り入れることで、両者の間を取り持つバッファー(緩衝材)の役割をしてくれるため、馴染ませることができます。

イメージのギャップを調整する

先述したとおり、リネンとサテンはその質感から想起されるイメージに大きなギャップがあります。

しかし、中性的/女性的、リラックス/フォーマル以外にも色々なイメージを感じませんか?

例えば、リネンというと、天然志向とか、アジア、亜熱帯、リゾート、昼、アウトドア、太陽光など。

サテンというと、人工的、都会的、クラシック、西洋、夜、室内、照明灯というような感じ。

これらをそのまま合わせると、アジアンリゾート用とダンスパーティー用のイメージが混在し、居心地の悪さを感じてしまうかもしれません。

そこで、コーディネートのテイストをどちらかのイメージに寄せつつ、馴染ませるという作業が必要になります。

左のコーディネートは、リネンベストのイメージに寄せるために、シアー素材の有機的な柄が入ったスカーフと、これまた有機的な刺繍が入った合皮のウエスタンブーツを合わせています。

いずれもイメージとしてはナチュラルな雰囲気のアイテムですが、艶があったり、半透明であったり、サテンの質感に近い素材を選ぶことでサテンスカートと馴染ませることができているように思います。

右のコーディネートは、サテンのイメージに寄せるために、人工的で都会的なTシャツやナイロンバッグ、フロントジッパーのブーツなどを合わせています。

いずれもサテンの質感に馴染むようにある程度艶のある素材を入れつつ、カジュアルなイメージのアイテムを選ぶことでリネンベストと馴染ませることが出来ているように思います。

とはいえリネンとサテンのイメージは今や流動化している

今回の検討は、イメージしやすいように極端なアイテムを選んでみました。

しかし、色々調べるとリネンとサテンの垣根は今やかなり低くなっていることがわかりました。

ある程度の基本は押さえつつも、そこまで素材やイメージのギャップに厳密にこだわらず、むしろあえてそのギャップを楽しんでいるような気もします。

GU webサイトより

というわけで私もサテンとリネンのカジュアルアイテムに異素材を色々組み合わせて遊んでみました。
質感の異なるもので、最終的なテイストを想像しながらコーディネートを考えるのは、難しいけれど楽しいものだなとつくづく思いました。