アニメ×アパレルブランドコラボに対する許容度の差は、作品と自分との距離感の違いで説明できる

装いの法則

こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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最近、大人のファッションブランドにおいてもアニメ作品などとのコラボレーションアイテムが沢山販売されているような気がします。

先日は、なぜかドラえもんが付されたアイテムを色々なブランドショップで目にしました。

GUオンラインショップより引用
Manhattan Portageとのコラボレーション


もちろん、以前もTシャツやネクタイなどでそういうデザインのものもチラホラあったような気もしますが、ちょっと調べたら、2020年GUCCIなどのハイブランドもドラえもんとのコラボレーションアイテムを出していたそうです。

ドラえもんの50周年記念と2021年に100周年を迎えるグッチが、タッグを組んだとのことでした。

GUCCI Webサイトより引用


へぇ…と思って、もう少し調べてみると、これまでも結構色々なブランドがアニメ作品とのコラボアイテムを打ち出しています。

DOLCE&GABBANA×呪術廻戦
GUCCI×ASTRO BOY
GUCCI×JOJO

これらについてのネットの反応は色々で賛否両論あり、待ってましたと喜ぶ声もあれば、ダサいとか高すぎるとかいわば炎上しているようなもの、誰が買うんだろうかという興味の声が見つかります。

やはり、いくら好ましく思っているアニメ作品だからといって、文房具などとは異なり、体に身に着けるものにまで表示されていると非常に目立ちます。

ましてや誰もが知っているハイファッションアイテムとなれば、また違った意味合いが出てくるのも当然であり、それぞれの主張があって良いのだと思います。

両者の思考について、ちょっと考えてみたいと思います。

アニメ作品×ブランドコラボレーションを積極的に受け入れる思考とは

転売や、投機的な目的は除外するとして、当然かもしれませんが、好きなアニメ作品に関連する物事はもれなく、あるいはできれば所有したいと考える人が一定数います。

そういう人はこんな伝統的なブランドが自分の好きな作品に注目しているということに喜びを感じ、絶対に所有したいと思うかもしれません。

あるいは、そのコラボレーションに至るまでのいきさつやデザイナーの思い入れなどのストーリーにも共感するかもしれません。

さらに+α、近年の推し活ではないのですが、「推している」ことを何か外に向かって表現したい人が増えているような気がします。

それによって同じようにその作品を推している人とつながることなのか、あるいはその作品と自分とを外観も含めて同化させることで、他者とのつながりなども期待している可能性があります。

つまり、作品と自分との距離感が非常に近いのです。

作品に対する愛情の深さもさることながら、コラボアイテムそのものからはぱっと見てわからない無形資産的なものや派生する何かも含めて自分事として大事にしているのではないでしょうか。

アニメ作品×ブランドコラボレーションに対して無関心・受け入れない思考とは

もともとそのアニメ作品を好きではない人は除外するとして、アニメ作品は好きだけれど、コラボアイテムについては興味がない、または購入したくない(なぜこんなものを?という疑問も含めて)と思う人も一定数います。

そういう人はアニメ作品と自分とは全く別物だと考えています。

そのため、そもそもファッションアイテムとして身に着けたいとは思わないか、もし身に付けるにしてもTPOが優先されるため、アニメ作品の背景とかコラボレーションの意味などよりも見た目やデザイン性が重視されます。

そうなると、上述したハイブランドとのコラボアイテムは極めて目立つものが多いので、選択肢に入らなくなります。

また、アニメ作品を通して誰かとつながりたいという欲求も希薄です。

つまり作品と自分との距離感が遠い人は、コラボレーションが前衛的でその話題が広がれば広がるほど、理解できなくなったり、受け入れられなくなるのではないでしょうか。

わかる人にだけわかればいい

ある物事の出現によって、人々の反応が好きと嫌いに大きく2つに分かれるというのは、その物事が市場を刺激し、活性化しているとも考えられ、一概に悪いことではありません。

平均的な層に受け入れられるものを、平均的な価格で適量作って売り切るというやり方では、もう生き残れない時代になってきたのでしょうか?

ブランドの知名度を逆手にとって、わかる人にだけわかればよいという突き抜けたアイテムを世に出し、インパクトを与えることこそが、ブランドの戦略なのかもしれません。