こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。
ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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夏頃にふと思い立ち色彩検定を勉強してみることにしました。
どうせなら1級を…と参考書を探しに本屋に行ってみたら、「ない」
2級までなら沢山参考書や問題集はあるのに、1級はまったく本屋に並んでいませんでした。
…沖縄だからかな(特に根拠のない推論、スミマセン)….と思いなおし、Amazonで検索するとかなり昔は問題集があったようなのですが、今はもう発行されてないようで、販売していませんでした。
そんなにマイナーな検定なのか….。と思いつつ、公式テキストと過去問題集3年分を取り寄せ、とにかく読み込むことに専念、ネットなどで過去に合格した人の経験談なども見ながら勉強を始めました。
2級も3級の内容も網羅して理解しておく必要がある
ネット情報によると、1級は2級、3級の知識を含めて問題が出されるとのこと、そりゃそうですよね。
結果的に2級と3級の公式テキストも取り寄せて、勉強することにしました。
とはいえ、関連する内容がどの級にもところどころ入っていて、どれも重要な知識が部分的に盛り込まれていることに気づき、級を問わず単元毎に頭に入れていきました。
暗記する内容と理論的に理解できる内容とがある
法則や原理を理解すれば頭に入る内容もありましたが、結構暗記が必要な内容も多く、これには苦戦しました。
特に慣用色名という、黄土色とかターコイズブルーなどといういわゆる色の名前を、すべて名前や成り立ちなどの由来や説明も含め覚えておきましょう とネットの情報から知っていたのですが、全部で120種類以上もあり、まさかこれを全部覚える必要はないだろうと高を括っていました。
(しかし試験の数週間前になって過去問題集を解くと、本当に暗記しておいた方が良さそうだったので、そこから慌てて覚えました。)
一方、スペクトル、色差、色覚、照明についての知識は化学や工学、生物などでなんとなく勉強したのをぼんやりとですが覚えていたので、少しだけ救われました。
そんなわけで、私の苦手とする暗記事項もかなりのウエイトを占め、どんな問題がどうやって出るのかもわからない中、皆どうやって勉強しているんだろうかと気になりつつ、テキストの内容をノートに要約というか書きなぐりながら理解していきました。

過去問が唯一の情報源。おさらいしつつ問題の傾向を探る
テキストはすべてを網羅しているので、全部覚えるには明らかに時間が足りません。
数週間前から過去問を解くと、合格点ギリギリでした(200点満点中、7割が合格だそうです)。
これはまずいぞ。
間違えたところを再度テキストで見直し、理解しなおしてから、過去問を参考に自分で問題を逆に考えつつ、再度テキストを読みなおしました。
また、この頃からようやくお尻に火が付き、モニター企画を10月末日で一旦締め切ることにしました。
1級一次試験終了
マークシートなんて何年ぶりでしょう…。
最初の数問は緊張で手が震えてうまく塗りつぶすことさえできず、いくつかわからない問題はあれど、なんとか全問解答し終えて会場を後にしました。
帰りの道すがら私よりもずいぶん若い受験者の方が数人で、「あの問題ってさー…」と反省会をしているのを小耳にはさみつつ、まあマークミス(ああ…この言葉!高校のセンター試験以来、二度と使うことなんてない言葉だと思っていましたが、今更使うなんて!)さえしていなければ、なんとか合格はしているのではないかと言い聞かせて家路につきました。
え?二次試験会場の福岡に当日着の飛行機しかない
二次試験はさらに難しいそうですが、あと一ヵ月、何をすれば良いか正直わかりません。
カラーカードを切って、糊で貼って配色問題に解答しなければならないとのこと。問題がないので、また過去問をみっちり分析していきました。
しかし下半期も佳境に入ると色々仕事の方も立て込んできたりして、毎日寝る前1時間程度過去問を見て問題を予想しつつ解答するという隙間勉強の毎日を過ごしていました。
また、締め切り前に申し込んでくださったモニター企画の方の診断や、すでに診断を終えたモニターの方とのやり取りの方で色々気づきがあったりして、どちらかというとそちらに専念することでより頑張れた気がします。
そんな中、1次試験合格を確認、ほっとしたのもつかの間、飛行機を予約しないと!
沖縄は試験会場がないので、飛行機で他の試験場に行かなくてはなりません。私は最寄りの福岡にしていたので、仕事が終わったらその足で前日から福岡に入り、翌朝試験を受けるつもりでした。
しかし、前日の飛行機は席がいっぱいで、さらになんと宿が取れない(空きがないか、べらぼうに高い(5-8万円/泊))
どの予約サイトも同じような状況だったので前日入りはあきらめ、早朝便で行くことにしました。
(後日、その日は関ジャニ∞の記念コンサートがあったそうです。ジャニーズ恐るべし….)
雪で関空に行くかもって、JALよ嘘だと言ってくれ
早朝から搭乗しようと空港に入ると、福岡空港は雪のため、着陸できなかった場合は那覇に戻るか関空へ着陸します。とのアナウンス。
そんな!試験受けられないかもしれないって?
係員の人を捕まえて、もし関空へ行ったら何時ごろになりますかね…。と聞くと、何とも言えないとのこと。
もし間に合えば新幹線で福岡に行って、どうしても間に合わなかったらお好み焼きをやけ食いしてこようと腹を括りました。
飛行機に載せられるハサミは刃渡り6㎝までってご存じでした?
さらに、そんなこんなですっかり忘れていたのですが、機内手荷物にハサミは持ち込めません。
(しかし刃渡り6㎝以下であればOKなのだそうです。わかっていれば小さいハサミを買ったのに。わざわざ大きめの事務用ハサミを持ってきてしまいました。)
搭乗口前で指摘され、荷物を預けるかハサミを捨てるかの二択を迫られ、ハサミを捨てました。
もし荷物を預けたら、関空で荷物を待つうちに新幹線に遅れるかもしれないからです。
福岡に無事着陸
不安な気持ちで乗り込んだ飛行機。持ってきたテキストを開くこともできず、しばしシートに座って固まっていました。
しかし、積雪は思ったよりも軽く、福岡空港に着陸できると知り、ホッとしました。
二次試験はやっぱり難しかった
その日の福岡はものすごく寒く、雪がちらついていました。
福岡は空港から市街地までのアクセスが非常に良いのが利点です。早めに博多駅に到着、会場の場所を確認して、コンビニでハサミを購入してから近くのカフェで、ようやく温かいコーヒーとトーストをお腹に入れると一息つきました。
一応、何度も見飽きた過去問から問題を予想して、テキストで確認すること数回、時間になり会場に向かいました。
沖縄のときとは大違いで、かなりの人数が会場にいて驚きました。
ほどなく試験が開始され、さすがに難しいなーと思いつつ、時間内になんとか全問解答しましたが、ちょっと正解しているかどうかの自信がない…。
そしてやっぱり慣用色名を主テーマとした問題が出て、うろ覚えの中解答したため、もっときちんと覚えておけばよかったな…と後悔したりしました。
あっという間の90分が終わり、だめだったかもしれん。と会場を後にしました。

記載ミスしていなければ合格している…かもしれない
空港で飛行機を待つ間、ネットを見ると、速報として解答を公開してくれているスクールがあるのを見つけました。ありがたい!
緊張しながら答え合わせをしたところ、自信がなかったところもまさかの正答であることを知り、起死回生。記載ミスさえしていなければ、合格している…かもしれない。
まだ発表はされていませんので、不合格だったらなんとも恥ずかしいですが、この年で良く頑張ったなぁ…という4カ月間でした。
合否は別として、色彩の勉強をしっかりできたことで、少し自信がついたような気もします。
色彩を学んで面白かったこと
色は、物理的作用と心理的作用が相まってヒトが共通して認識している現象であり、わかっているようでわかっていないところがすごく面白いところだと思っています。
なぜこの色相とこの色相を合わせると心地良いのか…それは音楽の世界でいう楽典に似た一定の法則があります。しかし、それは数学や物理のように普遍的なものではなく、ある程度の個人差や風土差があるという不思議。
この余白に沢山の可能性が秘められていることに、面白さを感じました。
パーソナルスタイリングにおいて、色彩の知識は膨大な知識の中の一つであり、1級を取得したからといって(まだ取得していないのでなおさら)、別にとりわけ何があるという訳でもないのですが、色の持つイメージをオシャレに活かすことでより良いサービスにつながることを期待しています。
合格しておりました(後日談)
合格証書が自宅に届きました。196点とすごく良い点数でした。

記述式だったこともあり、記述する場所を間違えていたり、大文字小文字を間違えていたりと、なんらかのヘマをやらかしたのではないかと気が気ではなかったので、本当にホッとしました。
というわけで、晴れて「色彩コーディネーター」と名乗れるようになりました。
ファッションに関して何も誇れるものがなかったのですが(じゃあ、それ以外に何か誇れるものがあるかと問われると、これまた何もナイのですが…)、少しは自信につながります。
この知見をお客様へのサービスに還元していければと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。