こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。
ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、「あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?詳細はこちらの診断メニューをご覧ください。
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私は、このpodcastのこのシリーズが好きで、更新されるたびに聴いています。
ファッション業界に携わり、ご自身もファッションが好きで、ファッションには一般の方よりも詳しいと思われる20代の、まさにファッションの今に精通していると思われる方が、たとえば「映え」とは何か、とか「透明感」とかファッション・ビューティー業界で使われる「言葉」について、掘り下げて考察しています。
このプログラムがなぜ好きなのか、私も深堀りしてみます。
2人の会話が尊重に溢れていること
このプログラムは、WWDJAPANに所属する若手スタッフであるソーンマヤさんと佐立武士さんの男女2名が、誰もが当たり前に使っているファッション用語などについて、色々語っています。
こういう言葉の意味を、このような世代の方が改めて考えているというところに面白味があるのですが、例えば「映え」の話題にしてみても、彼らの場合は、スマートフォンを使い始めたころからすでにあった言葉だそうで、実際「映え」は意識していると言っています。
例えば、旅へでかけても、お土産としてモノを持って帰るよりも、「映え」る写真を持って帰って友達と共有したいと仰っていたのは、とても印象的でした。
彼らにとって、絶妙な角度から撮影したカラフルなスイーツなど、SNSでイイネを多くもらえる写真のことだけを指して「映え」と言っているわけではないんだと、思いました。

いかにそのときの気持ちや高揚感、感動などをその一枚に込めた写真を撮って、その気持ちをいかにうまく伝えて分かち合えるか、ということが重要なのであって、それが的確に表現されている写真のことを「映え」というのかなと…。
そう思うと、「なんだ、せっかく旅行行ったのにお土産も買わないで、自撮り写真ばっかり撮って….」とか言って揶揄するのは、良くないことだったなと反省しました。
彼らにすれば、お土産買わないと…とか言って渡す人の数を数え、打算的に吟味している私の姿は「せっかく旅行へ行ったのに、思い出づくりよりもお土産のことばかり心配してる….」というふうに見えている可能性があります。
しかし彼らは、「映え」という言葉が、例えば「インスタ蝿」のように揶揄されていることも承知しつつ、それを言う人のことをどうこう言うことは決してありません。
あくまでも「映え」という言葉について自分がどう思っているか、また社会の一般的な印象に対してどう感じているかなどを、自らのプライベート、国内外の大学などで得た学び、社会人としての経験も交えつつ、淡々と語っていて、誰のことも否定していないのがすごいなと思います。
これはどのような話題においても一貫してそのスタイルを貫いていて、相手の話をじっくり聴いて、誤解を受けそうな場合は慎重に言葉を選ぶことで、誰も傷つけないようにしているなということがひしひしと伝わります。

そこが一番好きな点です。
静かであること
podcast全般にいえることですが、結構雑音が多いような印象を持っています。
ZOOMなどのオンライン会議などが普及し、「音声による発信」のハードルは一見下がったように感じますが、特に対談式の音声番組を第三者が聴くという場合において、聴きづらいケースも多くなっています。
静けさや間が圧倒的に足りないような気がするのです。
とはいえ、これまでのラジオ対談というのはそもそも圧倒的に数が少なかったし、ある程度オーソライズされた人しかできなかったのが、このように誰でも発信できるようになって、その多様性こそ魅力があると言えます。
また、頻繁な相槌や被せるような会話は、リズミカルで自分も会話の当事者になったような気分になり、楽しいものです。
しかし、そんな中で、彼らのプログラムはとても静かで、間が十分にあることで逆に際立っているように思います。
特に大笑いもせず、大げさな抑揚もないのですが、お互いの話をじっくりと聴かせてくれるところが魅力です。
「めんどうくさい」と言いがちな私達
何かの話題において、当たり前のことをあえて取り上げて議論するという手法は常套手段だと思います。
しかし、そもそも前提を覆してやろうという目論見とか、目新しいことを伝えなければというような意図が見え隠れすると食傷気味になります。
そうではなくて、彼らが純粋に「なぜでしょうか?自分はこう思うのですが….」と聞いてくるのが心に刺さります。
なぜなら、我々先輩にとって一番「めんどうくさい」ことでもあり、それは自分がわかったふりをしていることが露呈するのが怖いからかもしれません。