Desigualの賛否両論説に対して想う

装いと科学

こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、「あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?詳細はこちらの診断メニューをご覧ください。
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最近、今年の夏、私はたまたま見かけたDesigualというお店で、素敵なオールインワンとシャツを買いました。

Desigual(デシグアル)公式サイト
オールインワンとシャツです。とても気に入ってます。

お店の内装は全体的に非常に個性的だったので、今までの私であればたぶん視界にさえ入らなかったと思いますが、ファッションを学んだことでどんな服にもとりあえず興味を持つことができるようになりました。

そんなわけで、とりあえず勉強のために入店してみたわけです。

かなり個性的なアイテムが多い中、一番奥に冒頭のラインナップを見つけ、見たことのない色と柄に魅了されました。

無難な服を着ることが多い私にとって、はっきり言ってこれらのアイテムは手持ちの洋服のテイストの中ではかなり外れ値にあります。

価格もそこまで高くなく、試着もしたことで似合うこともわかっていながら、こんなの着れるかな…と悩みまくった挙句、結局買ってしまいました。

家族にも好評で、私も気に入っているのですが、後日ブランドのサイトを見ようとGoogle検索したところ、しょっぱなからこんなワードが…

うわ~!

気になって見てみると

「10代とかではなくヒッピーとか若く見られたい50代ぐらいのおばさんに人気のブランドです」ということが書かれていました。

おっふ…これはまさに私ですか?
(潜在意識としては、そりゃあ少しでも若々しく見られたい気持ちは否めませんが)

一方、「デシグアルってブランドをご存じですか? やっと巡り会えた大好きなデザインですが、大阪のおばちゃんとかいう評価を見て…」という方もいました。

ああ…..これはまさに私です。
(ご質問の方、良かったらお友達になってくれませんか?)

他にも、下品だ、ダサいというイメージと、上品だというイメージが交錯しているこのブランド….なんでこんなにも評価が分かれているのでしょうか?

ちょっと考えてみました。

Desigualとはどんなブランドなのか

Wikipediaによれば、Desigual(デシグアル)は1984年スペインのバルセロナ発祥のブランドで、“Desigual, it’s not the same”(Desigual、それは同じではない)をスローガンにしています。

個性的であることをスローガンにしていることは確かですね。

幾何学模様やパッチワークを用いたデザイン、鮮やかな色使いに大胆なプリントコンビネーションなどを特徴としています。

これまでも、ブラジルのセクシーモデルを活用して、自信に満ち、楽天的かつ元気といったイメージを前面に打ち出してきたそうです。

、世界で最もセクシーなモデルランキングのトップに輝いたこともあるAdriana Lima

一方、最新情報としてはこの2022年秋冬のラインナップのキャンペーンとして、シンガーソングライター、ダンサーなど幅広く活躍するNathy Peluso (ナティ・ペルーソ)を起用したそうです。

DesigulalHPより引用

サイトを見に行ったのですが、プロモーションビデオはモノトーンで統一され、その中でNathy Pelusoはヌードで健康的かつ躍動感のあるダンスを披露しています。

サイトによると、これはDesigualとNathy とが共に裸になることで、流行に流されずに自分らしい生き方やファッションを追求していくという強いメッセージだそうです。

誰が何と言おうと、ポジディブに自分の好きなファッションを楽しんでもらいたいという精神は不変のようです。

ただ、強いメッセージや主張は、時に強烈な賛美とともに苛烈な批判も同じぐらい受けるものです。

今回のビデオも、Nathyの肉体美を下品とみるか美しいとみるかは特に日本においての賛否が大きく分かれる可能性があります。

そういう意味で、冒頭のようにネガティブな印象を持つ人達の容赦ない嘲笑や批判に対して、魅力を感じた人が躊躇してしまうのも頷けます。

デザインの多様性

確かに私も店舗に入ったとき、「これはちょっと無理だな」と思うような派手なラインナップも沢山ありました。

しかし、店内にはいろいろなテイストのアイテムが分散していて、こんなものもあるんだというような新鮮な発見がありました。

Online Shopでも、同様の傾向があります。

着用する人もシーンも限られる奇抜なアイテム

確かに日本人には着こなすのが難しいかもしれない

これらのアイテムは、さすがに個性的で、フルで着こなすのは難しい部類といえるかもしれません。

胸元などのカットも結構セクシーなので、接客業の方などが着る場合もあるかもしれません。
それでそこばかりがクローズアップされているのではないかとも考えられます。

10代、20代にも着てほしいカワイイアイテム

これらのアイテムは、若い人が着ていたらすごく可愛くないですか?

しかし、こんな可愛らしいアイテムもありました。ミニワンピースやタイトなクロップドトップス、チェックを効果的に使用したアイテムなどが今年は多いようで、アクセントとして着ても良さそうに思います。

一概に若い人には向いていないとも言えないのではないかと思いました。

個性的ながら上品に取り入れやすそうなアイテム

どうでしょうか?そんなに奇抜でもなくないですか?

これらは、色味も落ち着いていて、さらに自然をモチーフにしたロマンティックな感じであったり、少し懐かしいデザインだったりしつつも、普段使いのアイテムとも合わせやすいのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

また、これらのアイテムは比較的年齢を問わないような気もします。

豊富なスニーカー群

アウトドアテイストのものから、柄物まで色々なテイストのスニーカーがあります

また、Desigualはスニーカーが面白いものが多いような気がします。店頭を覗いた際も、見たことのないスニーカーが沢山並んでいて、思わず買ってしまいそうになりました。

価格もそこまで高くないので、スニーカーだけでもチェックしておくと、面白いかもしれません。

決めつけないで個性を楽しみましょうよ

何かの良し悪しを語るときは、あまり決めつけないようにしたいものです。

あくまでも自分の感想を語る分には自由だとは思いますが、誰かへの影響をやはり常に念頭に置いておいておいた方が良いとは思います。

特にネットで不特定多数に向けた発信するのであれば…。

とはいえ、冒頭の話題は、誰かがDesigualがアリかナシかを提起した投稿に対するレスポンスとして派生したものなので、単なる感想では不十分であったため、何らかの根拠というか、よりどころとなる情報が必要だったのでしょう。

しかし、このブランドについて、下品だとか若作りのオバサンが買うようなアイテムしか売っていないと思う人は、ある一面だけを見ているにすぎません。

また、逆もしかりで、私のように上品で素敵なアイテムしか売っていないと思う人も、やはりある一面だけしか見ていません。

新進気鋭のモデルが、到底着こなせそうもないアイテムをさらっと着ていたり、ブランドのファッションショーで、とんでもないアイテムが登場することがありますが、それを露骨に嘲笑する人はいません。

思い込みや欺瞞に気づいてハッとさせる。

それがDesigualの戦略なのかもしれません。