レトロを受け入れる若者世代に倣う

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こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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若者世代が楽しいと思うものに対して古い世代はついていくことができず、意味がわからなくなっていく一方です。

しかし、若者世代は古い世代のカルチャーやファッションに対して逆に新鮮味を感じ、貪欲に理解を示します。

私自身も子供を持つ身として、子供たちが楽しい、素敵だと感じるものをお互いに尊重できるといいなと思ったきっかけになった事例を2つ紹介します。

「寅さん」ファッション再び

「寅さん」というのは、もちろん「男はつらいよ」のことです。

1969年からシリーズが始まり、すでに「寅さん」役の渥美清さんはなくなっているのですが、なんと今年の年末には50作目が封切られるそうです。

実は私も「男はつらいよ」の映画をそんなによくは知りません。

親がたまにテレビで見ていたぐらいですが、いわゆる風来坊の若い男性(車寅次郎こと寅さん)と、それを取り巻く家族のドタバタハートウォーミングストーリーです。

トレードマークとして、いつも商売道具が入った四角いトランクを持って、中折れ帽とジャケットをひっかけ、腹巻と雪駄というあきらかに堅気の者ではない恰好をして、時々ふらりと実家に戻ってきては、ゴタゴタを起こすというお決まりのストーリーが展開されるのですが、正直何が面白いのかはわかりませんでした。

それでも、「寅さん」自体は良く知っています。

今や若い人には「誰それ」という存在になっていると思うのですが、ここで面白いエピソードがあります。

アニメや映画に出てくるキャラクターになりきる、いわゆる「コスプレ」の祭典である コミックマーケットに、20年以上寅さんのコスプレで参加しているコスプレイヤーを見た、とある若い参加者が、「なんだか知らないけど、この人、なんかカッコイイ」 と2019年に写真をTwitterに投稿して、話題になったそうです。

2019年JCASTニュースより引用

これに着目したかどうかはわかりませんが、Beamsが映画ともタイアップしてか「男はつらいよ ビームス篇」という企画を行っています。7月頃に第一弾、12月には第二弾が発表されるそうです。

もちろん、これはファッションアイテムなので、寅さんをオマージュとしたリアルクローズになっており、寅さんが着ていたチェックのジャケットはドテラダウンになり替わり、雪駄スニーカーには鼻緒らしき飾りがついていて、すごく面白いです。

これにスリムパンツやスェットパンツ、あるいはプリーツスカートなどを合わせたら面白いコーディネートになるような気もします。

また寅さんのアイコンアイテムであるトランクは、実はリュックとしても使えます。

昭和を代表する強烈なキャラクターの魅力が、何の予備知識もない10代、20代にどう映るでしょうか?

素直に面白がって使ってくれるといいなと思います。

シニアアイテム再び

2つ目の事例は、イオンが敬老の日に向けた企画として「孫×おばあちゃんのリンクコーデ&服交換」があるそうです。

おばあちゃんといっても最近はオシャレなおばあちゃんが多いので、この写真のように、リンクしたり、お互いにアイテムを交換してもあまり違和感がないというのは、なんとなく納得できます。

学生ブラントとシニアブランドでの服交換企画

実際、この企画は最近SNSで若い人がおばあちゃん世代が着ていた古着を取り入れたコーディネートを投稿したりというのが流行っているそうで、これに着想を得たものと思われます。

WEAR HPより


イオンはまさに日本全国どこにでもあり、どんな世代のファッションアイテムも取り扱っているので、この企画は非常に面白いです。

敬老の日にちなみ、孫と母とおばあちゃんみんなでイオンに行って、ワイワイ試着をしあうというのは、なんだか楽しいですね。

柔軟な頭を持ち続けたい

若い人の感性にかかれば、一見古臭いアイテムも、上手になじませて着こなすことができますね。

2つの企画においては、若い人たちがどのぐらい面白がってくれるかが成否を分けそうですが、私達も若い人のファッションやその感覚にただただ眉をひそめたり、忌避するのではなく、まずはそのまま受け入れてみる柔軟な頭が必要です。

そして、そのスパイスを私達の年代にしかできない着こなしへと昇華することができるようになりたいものです。