裏表前後を気にしない肌着からの新たな挑戦

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こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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こんなブランドがあるのですね。

本当にどのように着てもOKということなので、逆になぜ今まで裏表、前後を気にしなくてはならなかったんだろうとさえ思いました。

肌着革命

アパレルとは無関係の会社社長が、子育てをしながら思いついたアイディアから始まり、2018年よりクラウドファンディング マクアケでまずは「裏表のない」肌着を提案し、すぐに目標金額に達しました。

Honesties HP より引用 前後だけは区別があるものもあります

体の不自由な方にとっては、これまで洋服の表か裏をタグの有無などで確認したり、裏返したりという動作がなくなり、ストレスフルで身に着けることができます。

また、子育て中のパパ・ママにとっては家事の時短になります。

私もサイトを見て、このシンプルな形に単純に魅かれました。ただ、あまり下着としてTシャツを着ることはあまりないので、購入するのであればタンクトップかキャミソール、そして靴下は面白いなと思いました。

つま先の縫い目がない靴下…なんとなく興味があります。

とにかく丁寧に作られている

記事を読んだ際に、この裏表前後を気にしない下着は何か新しい技術が導入されているのだろうかと思ったのですが、調べると既存の技術だけで構成されていました。

前後に関しては、前身ごろと後ろ身ごろパターンを同じにすれば良いのだと思いますが、裏表に関しては、やはり「縫い目がない」というところに工夫がいります。

これをかなえたのが「フラットシーマー」というミシンです。

フラットシーマーは1962頃にアメリカのUnion Special社が開発した、平面縫製ができるミシンのことで、4本あるいは5本の針と6本の糸を使って2枚の生地を縫い合わせるのだそうです。

また、その際、生地の縁をカットしながら縫製するので、縫い目の裏側が膨らまずに平らな状態になるのだそうです。

株式会社 美泉 HPより引用


そういえば、時々こんな縫い目を見たことがありますよ。
水着、ラッシュガードなどで用いられていて、丈夫な縫製方法らしいです。

Tシャツなどでたまに場合、脇下の部分だけにフラットシーマーが用いられているものがほとんどだそうです。

株式会社 美泉 HPより引用 すごくわかりやすい比較図だったので使わせていただきました

このフラットシーマーですべての縫製がなされているのがこの下着です。

なーんだ…と思ったのですが、色々調べると、それは結構大変なことらしいです。

・縫製技術が難しい
・フラットシーマーは現在ユニオン社は生産を終了しており、国内3社からしか出していない
・非常に高額のミシンである
・国内にミシンがほとんど出回っていないため、縫製のできる工場が限られている
・適用できる生地なども限定される

Honestiesはこのためにフラットシーマーを自社で導入し、技術を習得したうえで生産しているそうです。

それによってキャミソールなども1枚当たり1000前後と、価格も抑えることができています。

子供向けアイテムの本格展開

今回、新たに通販事業ベルメゾンと協業し「前後・裏表のない子ども服」を販売しています。

どのように着ても違う模様があって、機能性だけでなく、デザイン性も高い。

これはとてもカワイイです。

その他、パンツやパジャマもあり、工夫されている印象です。

肌の敏感な方など、裏地やタグが気になる方もいるのではないかと思うと、今後もっと大人向けにも発展すると面白いのではないかと期待してしまいます。