2022年夏のバーゲンセールの傾向から考える今後のお買い物について

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こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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コロナ渦が一旦収まった少し前、ショッピングモールなどではセールが沢山行われていましたが、セールの集客力低下が叫ばれているそうで、今年はより顕著だったそうです。

私自身は昔からあまりセールを狙って買い物にいったことがないのですが、それは単にブランド情報やファッション情報を知らず、自分が買おうと思ったときに買い物をするためです。

しかし、たいがい必要に迫られて買い物をするため、まだ暑いのに秋物を買うというような先物買いもしないので、結局よくあるのがお店に行くと、すでに次のシーズンの服が結構置いてあって、今着たいものが結構安くなっているという状況はよくあります。

ただ、行くタイミングによってはセールも終盤になっているのか、あまりピンとくるものがなく、何も買わずに帰ってしまうか、そんなに納得していないのに、安いからという理由でイマイチなものを買ってしまうことも…

友達などはいついつからどこどこでセールがあるということで、初日に連れ立って買い物に行っていました。なんなら具体的にお目当てのアイテムを狙っていたこともあったかもしれません。

後日、70%引きとか、すごい値段で購入した戦利品を得意げに披露してくれる友達に、「それはすごい!!!そんなに安くなってたんだ!!」と驚きながら話を聞いた記憶があります。

そんな買い物事情も昔の話なのかもしれません。

今年の購買傾向について販売側からのコメント

今年7月に全館セールを実施したファッションビル・駅ビルのコメントとして以下のようなものがあったそうです。

・本当に欲しいものを吟味して買う傾向が強く見られた
・セール品よりも正規価格品(業界用語としてプロパー品と呼ぶそうです)を購入する率が高かった
・良いものがあれば正規価格品を買うという状況になっている

セールが来店動機にはなっているが、必ずしもセール品だけをお目当てに買い物をしていないということになります。

結果、「売れ残った」セール品よりも、品ぞろえ豊富で魅力的な正規価格品を見ればそちらを買うということを示しています。
実際の行動としては、これも良くあることかなと思いますが、販売側からみて、その傾向がこれまで以上に顕著だったという感覚はおそらく正しいと思われます。

また、そもそも生産数を減らし、在庫を出さないように工夫していること、その結果、安売りをしないようにしていることなども要因に含まれているとのことでした。

今年の購買傾向について購入側から考える

残念ながら世界的に日本の可処分所得はどんどん減っていると言われ、であれば、ここぞとばかりセール品の購入動機につながるのではないかと予想します。

しかし、そうならなかったのは、

・コロナ渦においてそもそも洋服の購入枚数が減り、制限緩和とともに久々に買い物に出た際、せっかくだから、より魅力的な正規価格品の方を買ってもいいだろうという消費行動に出た

という解析が可能です。

しかし、このような短期的な解析だけではなく、世の中全体が、

・自分が本当に欲しいものを十分に吟味したいという層が増えた

とも考えられます。

消費者側にとっても、大量生産されたものを大量消費するという潮流に、経済的にも気分的にも乗らなくなってきているともいえます。

セールの高揚感ではなく、それこそ以前書いた記事のように本当に欲しかったもの、より革新的なものに対して能動的にかかわる人が増え、その高揚感で市場が活性化し、その結果、確実に消費される製品を適正量生産する流れにつながっていくと本当の意味でSDGsが達成されていくような気がしました。