こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。
ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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天使のブラとか、恋するブラとか、そんなネーミングの下着がありましたが、今回見たのは「巨匠のブラ」です。
英訳すると「Master’s Bra」でしょうか。ちょっと調べたら「Master’s Bras」となってました。複数形…。
なんというか、ちょうど胸の部分に誰もが知っているアート作品の印象的なパーツをうまく組み込んでいて、それはそれは美しい下着です。
だいぶ前からシリーズ化され、販売されていたようなので、ご存じの方もいるかもしれませんが、私は今回初めて知りました。
今回はカタログを見るように、これを詳しく愛でていきたいと思います。
「〇〇のブラ」シリーズはTriumphですが、「巨匠のブラ」はPEACH JOHNの製品でした
こちらが、Webサイトですが、全部すごいので、過去に販売されているものから、最新作まで全部紹介します。
成熟した女性の美を表現:ボッティチェッリグリーン
まずはこれ。「ヴィーナスの誕生」をモチーフにしています(作者の名前の発音が激むず)。
この作品は女性の神秘性を描いているともいわれ、おそらくこの「巨匠のブラ」の企画当初からまず最初にこれを作るべくして作られたのではないかと思います。
それにしても胸の曲線を活かして、重要な登場人物をすべてバランスよく配置していること、全体的な色味やトーンも原画の雰囲気をかなり正確に再現しているところが素晴らしいです。


官能的な美しさを表現:クリムトゴールド
こちらも有名な「接吻」をモチーフにしています。
クリムトの「黄金時代」と呼ばれる金箔を多用した画風を見事に再現しています。金色の布地に赤や青などの小花がちりばめられているところなどが、とても魅力的に感じます。


シンメトリーで曲線的な植物柄を活かした:モリスネイビー
私はこの絵は知りませんでしたが、これは詩人、思想家、デザイナーとして活躍したウィリアムモリスの壁紙デザインだったようです。自然の樹木や草花などをモチーフが得意で、今でも壁紙のデザインとして人気があるとのこと。
これはそのデザインを「巨匠のブラ」のモチーフにしています。
花や植物のモチーフはレースの模様になっていることも多いため、一見すると女性用の下着によく見かけるデザインのような気がします。
しかし、原画を注意深く見ていると、シンメトリーな構図や、蔓や葉の優美な曲線は、まるでこの下着のためにあったかのような錯覚を覚えます。


大胆な構図とベロ藍の再現:ホクサイブルー
そう来たか…。浮世絵をブラにしてしまうなんて..。驚きです。
北斎の大胆な構図を見事に胸元に再現していて、小舟が大波に翻弄されている様がまさに「体現」されています。
そして、ホクサイブルーと呼ばれるベロ藍(ベルリンから生まれたプルシアンブルーと呼ばれた合成染料)の色味にもこだわりを感じます


アール・ヌーヴォーの有機的なデザインにこだわる:ミュシャエクリュ
日本でも大変人気のあるミュシャの作品から、この「4つの花」を選んだのはなぜでしょうか?
今回はこの中の「薔薇」がモチーフになっていますが、残りの百合、アイリス、カーネーションのシリーズ化はあるでしょうか?


モネの世界観に迫れるか:モネブルー
印象派を代表するモネの有名な『睡蓮』をモチーフにしています。
水面のグラデーションや繊細な睡蓮を表現するのはかなり難しそうですが、美しくプリントやレースで表現されています。


黒と鮮やかな生け花の対比:ブリューゲルブラック
この原画も私はよく知りませんでしたが、黒いバックに対して、生命力あふれる鮮やかな花々が印象的なこのモチーフを使用することで、上品なデザインになっていると思います。


あのヒマワリをモチーフに:ゴッホイエロー
誰もが知っているゴッホの「ひまわり」をモチーフにしています。確かにこれも「巨匠のブラ」というからには入っていないと逆に不自然ですよね。
原画よりも密集して配置されているひまわりの刺繍が、生命力あふれるゴッホの作品の特徴をより端的に表しています。


最新作は再び日本画で:若冲ブルー
伊藤若冲の「鳥獣花木図屛風」の印象的なゾウと孔雀、さらにその周りの小動物が沢山配置されたアシンメトリーな構図で、明るい青、赤、緑、白、茶色の配色がエキゾチックな印象を与えています。
これは8/10日に販売が開始された最新デザインです。


次はどの巨匠の作品が採用されるかな
全部並べると壮観ですね…。
ただ、女性の体をキャンバスに見立てて(ちょっと表現がアレですが…)、うまく曲線にフィットするように原画のモチーフをレイアウトし、誰もがパッと見てその世界観を楽しめるようにしているところが、本当に素晴らしいと思います。
また、こんなに細かい細工がされているにも関わらず、価格は5000円以内というところも驚きです。
私自身は、身に着けたいとまではちょっと思わないのですが、一度実物を見てみたいです。
ところで、もし次回のシリーズがあるとすると、次は誰の作品が選ばれるでしょうか?
私は….ピカソ、岡本太郎、横山大観、シャガール、ルノアール、ゴーギャンあたりが来るんじゃないかと予想しています(著作権の問題があるので、ピカソと岡本太郎は難しいかもしれませんね)