最小限のリスクで誰かの挑戦を支えよう~クラウドファンディングについて~

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こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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ファッションを勉強していると、色々な事も同時に勉強することになり、なんだかこの1カ月足らずで私は少々頭が良くなっています。

さて、これまでもこのブログで良く話題に上がっていたクラウドファンディングですが、新しいものを生み出す大きな力になりつつあることが良くわかります。

このシステムについてもきちんと調べてみました。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディング(crowdfunding)は、群衆 (crowd) と資金調達 (funding) を組み合わせた造語で、少額の資金を多くの人から集めることで、何らかの資金調達をすることです。

また、いわゆるクラウドコンピューティングのクラウド(cloud)とよく混同されがちですが、別物です。

もともとヨーロッパなどでは、本を出版する際には、クラウドファンディングに似た方式が取られていたそうで、広告で購入予約を募り、出版に係る費用がペイできそうであれば出版されたそうです。

通常、新しい製品を開発したり、何らかのプロジェクトを立ち上げるには、多額の資金が必要になります。

また投資回収のために綿密な市場調査をするわけですが、大コケする可能性もゼロではありません。

しかし、クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人々に立ち上げようとしているプロジェクトの賛同を得て、少額の資金提供を呼び掛けることで、事業の実効性を事前に検討することができ、失敗のリスクが低減できます。

近年、ソーシャルメディアの発展によって、誰でもプロジェクトを立ち上げることが可能となり、クラウドファンディングはますます活性化しています。

クラウドファンディングは、資金を提供する側に対する見返りによって大まかに3種類に分類されています。

・寄付型:金銭的な見返りがないもの
・投資型:金銭的な見返りの可能性があるもの
・購入型:何らかの権利や物品が得られるもの

また、2014年には、安倍内閣によって、新しい産業の発展を意図し、リスクマネーの供給を国家レベルで積極的に行うことが施策に盛り込まれ、クラウドファンディングはますます発展してきました。

世界のクラウドファンディング市場は、2020年で900億ドル規模になっており、国内クラウドファンディング市場規模は、2020年度は前年度比17.6%増の1,841億円との報告があります(株式会社矢野経済研究 HPより)

今回は、画期的な製品を世に出すことを目的とした購入型クラウドファンディングの国内における主要なプラットフォームについて、調べてみました。

CAMPFIRE

2011年に創業した株式会社CAMPFIREによるクラウドファンディングプラットフォームで、プロジェクト成立件数国内NO.1。手数料は17%です。

モノづくり・食品・カルチャーまで幅広いオールジャンルのプロジェクトを取り扱っているとのことで、企業、個人、学生など幅広い利用があるそうです。

2019年2月には、国内購入型クラウドファンディング事業者の中で最も早く、累計流通額100億円を突破し、2022年12月には540億円まで上昇、プロジェクト累計数は6万件に達しています。

また、利用者は30代、40代がそれぞれ約27%程度、20代、50代がそれぞれ約20%を占めており、幅広い年齢層に利用されています。

累計支援額の推移 
累計プロジェクト掲載数の推移

FPSSの服装心理lab.もこのプラットフォームを活用したオンラインサロンです。

また、毎年クラウドファンディングアワードを決定しています。

昨年2021年の総合賞は、「寝たきりでも働ける「分身ロボットカフェ」実験店 常設化プロジェクト!」と題し、自分の体を現場に運んで働くことが困難な方々でも分身ロボット「OriHime」の遠隔操作で働ける常設実験店をオープンするプロジェクトで、オリィ研究所という企業による起案で、4400万円を集めています。

CAMPFIRE HPより引用

Fanbeats

SNSの「GREE」を運営しているグリー株式会社2019年より運営を開始したエンターテインメント領域に特化したファンコミュニティ・プラットフォームで、手数料は10%です。

SNSの運営実績と、ゲーム事業で培ったマーケティング手法を掛け合わせて、クリエイターが、その創作活動に賛同するファンを集めることや、 新商品・イベントの事前予約ができるようにしています。

その方面には詳しくないのですが、例えばVSinger(ヴァーチャルシンガー)のHACHIのリアルワンマンライブ開催を目指すプロジェクトに、1200人の支援で2800万円が集まって目標を大幅に超えて達成しています。

この場合は、支援額に応じて、888円だとThanksメッセージ、6000円だとThanksメッセージ+オンライン視聴チケットなど、関与度合いが濃厚になり、最高80000円になると会場チケットとエンドロールクレジットや個別のボイスメッセージなどがもらえます。

READYFOR

READYFOR株式会社によって2011年より運営され、日本初のクラウドファンディングサービスだそうです。
2019年で1万件以上のプロジェクトを掲載し、約100億円の累計支援額が集まったそうですが、ビジョンとしては、「資本主義では解決できない社会課題を解決するためのお金の流れをつくる「寄付・補助金のインフラ」になるというものだそうで、大学や研究機関との業務提携なども積極的に行っています。

また、公開されたプロジェクトの資金調達の成功率が2018年実績で75%と、業界平均30%と比べて非常に高いとのこと。

プロジェクトをしっかり精査している可能性があります。

READYFORのHPより引用



Makuake

サイバーエージェントグループによって2013年から運営され、2019年東証マザーズに上場しています。手数料は20%です。モノづくり・飲食店などのジャンルのプロジェクトが多い傾向があるそうですが、新しい製品や体験の応援購入サービスを主に掲げています。

企業に向けた、テストマーケティングのプラットフォームとしてコンサルティング的な事業も行っているようです。

直近のニュースでは近年のプロジェクト案件数の増加に対して、プロジェクト実行者への支援体制を人員ベースで増加させ、より強化する動きが出ています。

このブログでもこの製品はMakuakeを活用していました。

academist

2013年創業のアカデミスト株式会社が運営する日本初の学術系に特化したプラットフォームだそうです。

研究や研究者の魅力を発信し、プロジェクトの資金調達成功率85%と業界水準とかなり高い。手数料は20%だそうです。

「スポット支援型(寄付型/購入型)」「月額支援型(購入型)」のファンドを用意しており、スポット型は、研究者が特定の目的に対して目標金額と募集期限を設定し、研究費を募り、期限までに目標金額が集まれば、研究者は研究費を受け取ることができ、サポーターは研究成果物をリターンとして受け取ることができます。月額型は研究者が自身の研究活動を継続的に発信することで、資金を募る仕組みです。

academist HP より引用 スポット支援型の例

これは、研究者に、自分の研究を広く一般の人にわかってもらうようアピールすることが求められるとともに、成果を確実に届ける責任が生じることとなり、研究者自身の考え方に大きな変化が生じることになると思います。

一方、研究者はこれまで自分の研究費を国か企業か、複数の助成金などしか募ることができなかったことを考えると、非常に良い試みだと思います。

spportunity

チーム・アスリート・スポーツ関係団体の支援を目的としたスポーツ特化型のクラウドファンディングプラットフォームだそうです。

将来有望な若者の才能を伸ばすために、資金援助する仕組みづくりをしています。

これは…個人的なお話で恐縮ですが、確かに、部活などで地区大会などから勝ち上がることで、県大会、地域ブロック大会、全国大会、国際大会と、試合の規模はどんどん拡大していきます。そのつど試合会場や強化練習などが開催されるたびに、自己負担で会場までいかなくてはなりません。

私も、同僚のお子さんが大きな大会に出るため遠征費用を調達するということで、寄付をして、そのお礼としてチームロゴが入ったタオルをもらったことが何回かあります。

このように地域の保護者の支援や、学校などからの補助はありますが、これらをクラウドファンディングで募ることは確かに意義がありそうです。

ファインクラウド

株式会社国際資源が2020年に運営を開始した初心者向けのクラウドファンディングプラットフォームで、専門キュレーターが夢を形にし、プロジェクトを成功に導くためにサポートする仕組みだそうです。

HPを見ると、初心者向けのブログが結構面白いのですが、具体的なプロジェクトがよくわかりません。

他社のプラットフォームに対して、このコンセプトが生き残れるかどうかわかりませんが、

「初心者向け」というからに、私のようなものでも、もしかするとそのうち挑戦するプラットフォームに成長する可能性はあります。

A-port

朝日新聞社が運営するクラウドファンディングプラットフォームで、新聞社ならではの情報発信力・編集力・PR戦略のノウハウを活かしたサービスだそうです。

「購入型」「寄付型」の2種類を支援しており、新聞社の新たなビジネス改革になるかどうかが期待されます。

MotionGallery

2011 年から運営を開始したクリエイティブ領域に強みのあるプラットフォームで、手数料は業界最安の10%だそうです。
『ハッピーアワー』や『カメラを止めるな!』などの映画もこのファンドを活用しているそうです。

資金調達プロジェクトを行う人を「プレゼンター」、支援する人を「コレクター」と呼び、芸術や文化をはじめとした社会を豊かにしより良い未来を築いていくプロジェクトが、資金不足を理由にスタートを切れない事例を少しでもなくすことを目的としています。

つまり、「プレゼンター」のアイデアやビジョンに対して、「コレクター」が共感して参加、体験することを支援のモチベーションにするという仕組みです。

500,000 人以上のコレクターがプロジェクトを支援し、50億円以上がファンディングされ、4,000 件以上のプロジェクトに資金提供されているとのことです。

「失敗してもいい」世の中をクラウドファンディングで作る

アイディアやモノができていないうちに市場に出すという考え方は、これまで一般的ではありませんでした。

企業も人も世に出るからには失敗してはいけないという暗黙の了解があり、実際に失敗してしまうと多大な不利益を被ってしまうという現実もありました。

しかし、クラウドファンディングはそのリスクを最小限にしてくれます。

「失敗してもいい」世の中をクラウドファンディングで作っていけるのではないかと思います。

ただ、クラウドファンディングのプラットフォームはまだ分散しており、これらをつなぐポータルサイトがあるとわかりやすいのに…と個人的に思いました。