アパレル業界のアップサイクリング ー創造的再利用ー について

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こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
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アップサイクリングというのは、不要になった製品を、現状より品質や価値を高めた状態にアップグレードして販売することを指します。

例えば、食品業界ではパンの耳などからビールを作るなどの取り組みが行われているようです。通常、リサイクルというのは段々廃棄物に近づくことが多いシステムですが、逆行させることができれば、それは画期的ですね。

このブログでは「装い」がテーマなので、今回はアパレル業界に限ってアップサイクル製品について調べてみました。

その前にリメイクという概念もありますよね。どう違うのか調べてみました。

その結果、リメイクも不要になった製品に再び命を吹き込む点ではアップサイクルと同じことなのですが、必ずしも価値が上がるとは限らないということで、アップサイクリングはリメイクとは一線を画した概念になっているようです。

ということでアップサイクル製品をいざ探してみたら、めちゃめちゃ沢山あるんですね。

今回は私の独断と偏見で、カッコイイと思ったものを淡々と紹介していきます。

不要になった車両用素材から作ったバッグ:フライターグ(FREITAG)

1993年スイスのFreitag氏がいらなくなった車のシートベルトや自転車のインナーチューブ、トラックの幌などから手作りのメッセンジャーバッグを作ったのが始まりだそうです。
これはかなりカッコイイですね。しかも丈夫だし、雨に濡れても大丈夫そうなところが良いですね。
一点ものだからか、価格は結構高いですが、そこがまた魅力という人もいそうです。

最初のプロトタイプ品 これが原型だそうです
FREITAG HPより 引用 現在の販売品(平均30000~40000円)

売れ残った服を組み合わせてジグソーパズルのようなデザインを実現:リ:デサント(RE: DESCENTE)

このブランドのビルドシリーズがこれにあたります。女性デザイナーのと同じく女性パタンナーが売れ残った服に別のデザインやトレンドを入れ込むことで新しく生まれ変わらせたくて、服をジグソーパズルのように組み合わせてみたそうです。

その結果、うまくつながらなかった部分が出てしまったそうですが、その違和感が逆に面白い雰囲気になったことで人気があります。裏地なども使ったりと、細かいところにギミックが入っていて、新鮮です。

https://www.descente.co.jp/media/brand/descente/20004/ より引用

ミリタリー生地、ネクタイなどを再利用したフェミニンアイテム:MALION VINTAGE

アンバランスな感じがとても良いけれど、これはもう趣味の世界に近いような気もします。

https://malion-vintage.com/ より引用

デッドストック品を新進気鋭のデザイナーとミュージシャンの舞台に見立てた:≒heart core remedy (ニアイコールハートコアリメディ)

デッドストック品自体は普通のTシャツやオックスフォードシャツ、パーカー(フーディーというのかな)ですが、これに明確なコンセプトを持たせて統一感のあるプリントや刺繍を施しています。

さらに面白いのが、ここに音楽の要素も入っていることです。

また、これらは上の3つのような手仕事による高いデザイン性、希少性ではなく、あくまでもコンセプトとしての付加価値であるため、比較的低価格に抑えられていることも特徴的です。

極論すると、コンセプトを載せる母体は平凡なアイテムでも良いと考えると、デッドストックを活用しない手はありません。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000071637.html より引用

アップサイクルアイテムに感じる多様性と可能性

私が特に気になる方向性の異なる4つのブランドを紹介しましたが、他にも着物を再利用していたり、プルタブを再利用していたりと色々なブランドが存在しています。

リメイクとまだコンセプトが重なるものもあるように思いますが、

これ欲しいと思って手に取ってみたら、実はアップサイクル品だった」

というようなアイテムになると、素晴らしいのではないかと思いました。