こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。
ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、「あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?
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世界三大ファッション素材見本市というものがあるそうです。
イタリア(ミラノ):ミラノ・ウニカ
フランス(パリ):プルミエール・ヴィジョン
中国(上海):インターテキスタイル上海アパレルファブリックス
ここには毎回トレンドを見越した面白い生地や糸が全世界から集まってくるそうです。
これらの素材がなければ服は作れません。
デザイナーなどにとって、新しい生地から着想を得ているところもかなりあるのかもしれませんね。
その中でも糸に注目してみました。
糸自体に高い意匠性(デザイン性)があると得られる生地の面白い風合いのものができあがります。
どんなものがあるのか調べてみました。
意匠糸とは
冒頭で記載したようなデザイン性の高い糸のことを意匠糸と呼びます。
英語では
ファンシー(派手な、珍しい)ヤーン
ノベルティー(新規な、斬新な)ヤーン
コンプレックス(複雑な)ヤーン
とも呼ばれています。
分類としては、このようになっています。
Bouclé yarm(ブークレ糸)
フランス語で「輪になった」という意味のブークレ糸は、ループ状の糸のことだそうです。
通常、ベースの糸の周りに、風合いの異なる別の糸(エフェクト糸)を緩くグルグルと巻き付けていくことで得られます。


Chenille yarn(シェニール糸)
シェニールというのはフランス語で毛虫という意味らしいです。外観を見ると、あ!これはモールですね。糸全体に直立した毛羽のある飾り撚糸の一つです。
二本のコア糸を撚り合わせる際に、他の糸をグルグル巻き付けていき、最後にその巻き付けた糸を切ると毛羽立ちができます。ポンポンを作る要領ですね。
Crepe yarn (クレープ糸)
撚り合わせた糸を,さらに2本以上そろえて撚ると出来上がります。

Eisengarn(アイゼンガーン)
ドイツ語で鉄という意味の糸ですが、実際に鉄を使っているのではなく、でんぷんやパラフィンワックス(蝋)に浸して作る光沢のある丈夫なワックスコットンです。
引き裂きに強い糸なのでアウトドア用品のファブリックなどに用いられています。


まつげ糸(Eyelash yarn)
まつげに似た毛皮のような質感のポリエステル繊維から作られています。
メインの糸から、長い糸が一定の間隔で斜めに突き出たような風合いです。「まつげ」に用いる繊維は金属なども時に用いられるそうです。


Ladder yarn(はしご糸)
はしごのような構成になっていて、2本の細い糸の間に水平方向の縞模様が吊るされており、隙間が交互になっているものだそうです。
こうなってくると、糸自体が構造物のように思えてきました。


金属繊維
金属、プラスチック被覆金属などが用いられている糸です。金属そのものも場合もありますが、大抵は化学繊維として、樹脂に金属粉末を練りこむか、化学繊維と金属をコーティングして得られます。
意匠性という点では、金属繊維から作られた布は光沢に優れ、まるで金属箔を纏っているような効果が得られますね。


ネップ糸
不規則な節を持った糸で、これは別の繊維が絡み合って節(玉)があるように見えます。
ツブツブが入っているように見えます。
得られた布も独特の風合いを感じますが、カジュアルな印象になりますね。


slavic yarn(スラブ糸)
手紡ぎのように糸に細い部分や太い部分を意図的に作り出した糸のことです。
こちらもネップ糸よりは凹凸は少ないですが、カジュアルな温かみを感じます。


意匠糸から作られた質感の異なる生地をさらに組み合わせることで最新のテキスタイルが作られる
つい最近、世界三大ファッション素材見本市のうちのミラノ・ウニカが開催され、こちらに面白いテキスタイルが沢山紹介されていました。

これらは意匠糸を用いて、他の素材と組み合わせたり、織り方を変えるなどして、さらに面白い風合いの生地を作り出しています。
そしてそれを使って、さらに面白いデザインの服飾ができあがるのですね。

Tokyo新人デザイナーファッション大賞に選ばれた学生さんの作品とのことです。