こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。
ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、「あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?
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オーナー自身が162㎝であることから、「小柄な男性でもおしゃれを楽しめる世の中へ」というキャッチフレーズを掲げ、168㎝以下の小柄男性向けのブランド、UNITED ANTS (ユナイテッドアンツ)」が起ち上がったそうです。
顧客に直接販売する、Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)で、パンツやジャケット、ベルトなどのアイテムを取り扱っています。
クラウドファンディングで50着購入をほぼ達成し、20代前半からの支持を得て、2021年8月時点でには月商100万円まで売上を伸ばし、2021年内までに月商300万円を達成したいということです。
ところで、168㎝という数字はどこから出てきたのでしょうか?実感として168㎝は小柄なのかどうか?少し調べてみました。
男性の平均身長からいうと168cmは平均よりチョイ下
厚生労働省が実施している令和元年国民健康・栄養調査の統計データを見てみました。
このブランドの購入対象になりそうな26歳~60歳ぐらいまでの日本男性の平均身長を見ると約170㎝でした。
そうなると168㎝というと、まあ平均よりチョイ下…..これで小柄とか言わないで という男性がいてもおかしくはありません。
実際、小柄男性のターゲットとして、当初はもっと絞り込んで160㎝以下という案もあったようです。

マーケティングの観点から見ると168cm以下を小柄としてターゲットとするのは妥当なライン
ある一定の集団から採取したデータの平均値には必ず「標準偏差」があります。
「標準偏差」を見ると、このデータ全体が平均値からどのぐらい離れて分布しているのかがわかります。
「標準偏差」が大きければ、そのデータは平均値より小さい値から大きい値までかなり広範囲にばらついていることがわかり、小さければ、そのデータは平均値に近いところで収束していることがわかります。
今回のケースで、168cm以下という値を持つ層が、全体のどのぐらいの割合にあるのか、26-29歳男性の平均身長とその標準偏差の値から考えてみたいと思います。
2019年の26~29歳男性の平均身長は171.8cmで標準偏差は6.7でした。

もしこのデータが完全な正規分布を示すと考えると、正規分布の特性から、標準偏差1つ分離れた身長、165.1~178cmの範囲に収まる男性は、全体の約68%を占めることになります。
標準偏差2つ分離れた場合、158.4~185.2cmの範囲に収まる男性は、全体の約95%ということになります。
すなわち158.4cm以下の男性は全体の2.5%であるといえます。
ここで、当初案の160㎝以下の層を見てみると、上の図では緑色の部分になり、かなり少なくなってしまいます。
これでは、あまりに市場規模が小さすぎますね。
このような観点から168cmに見直したようです。
これによりビジネスにおいて、かなり現実的な市場規模になりました。
また、世の中の実感としても「やや小柄」と言えるところにギリギリ収まったという訳なのです。
小柄男性がきれいに着こなせるアイテムを今後増やしてほしい
昔、かなり華奢な男性アーティストが女性ブランドを着ていると言っていたのを見て、なるほどな..と思ったことがあります。それはそれでかっこよかったのですが、不便ですよね。
特にジーンズを切ってもらうときの屈辱感は半端ないのではないかと思います。
このブランドも、短く切ってしまうとその特徴が台無しになってしまうフレアパンツで小柄男性向けの展開をしており、それが人気だそうです。
まだアイテム数は少ないですが、今後もっと増えていくといいなと思いました。

**2023年4月1日追記
その後、検索していたら、2022年4月20日付のこんな記事を見つけました。この記事は2022年7月4日に作成したものですが….!
私の考察と同じ事がUNITED ANTS代表の大谷さんがすでに語っていますね…。
うわー!
記事作成前にこれを見ていたら書きませんでした。これは恥ずかしい…大変申し訳ありません(涙)。