顔パーツ診断と「平均顔」

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こんにちは! 理系スタイリストのNAGです。

ファッションの正解は人それぞれ。
でもそれは科学(客観的データ)×心理(個人的嗜好性)で説明できます。
是非、私と一緒に、
あなたが本当に着ていて自信の持てるコーディネート」を探してみませんか?

詳細はこちらの診断メニューをご覧ください。
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FPSSでは外観の特徴を図る指標として顔パーツ診断という技術を用いています。
顔の印象を女性的(フェミニン)⇔男性的(マスキュリン)、大人っぽい(アダルト)⇔子供っぽい(ヤング)の2つの指標をもとにマトリクス評価して診断します。
しかし、稀にこれらすべてにも当てはまらない方がいらっしゃいます。
その場合、平均的(ニュートラル)という評価になります。いわゆる「平均顔」です。
今回はこの「平均顔」について色々調べていたところ、日本顔学会という学会があることを知り、面白い研究報告が発表されていることがわかりました。

日本の学会の数はなんと1176団体もありました

Wikipediaによると、2014年時点で日本には1176もの学会(正しくは日本学術会議協力学術研究団体)が存在しています(!)。
日本学術会議から正式に認定を受けたもの以外も入れるとその数はもっと多くなると思います。

顔に関心がある人なら,誰でも会員に! 門戸が広い日本顔学会

日本顔学会は1995年、顔に関する研究や「顔学」の普及を目的に発足したそうです。
会員数は600人ほどで研究者や業界関係者以外でも入会ができるそうです。
2001年 には「日本顔学会誌」が創刊され、歯学,工学,文化学,心理学,形成外科,美容外科,解剖学,神経学などの医学,美術解剖学ほかの芸術学や人類学の分野の会員が集まり、喧々諤々交流をしているようです。

現在、会長は菅沼薫さんという方でこの方の経歴もなかなか興味深いです。

平均顔と顔の印象を決める因子について

今回のトピックスは、第25回日本顔学会大会で発表された花王の研究報告です。
ここには以下のように20~30代の日本人女性104名の顔を合成した「平均顔」画像が掲載されています。これを見ると、

・額から頭、眉から鼻、鼻から顎までの距離が大体同じ程度である
・目の横幅が顔の横幅の5分の1程度である

ことが示されています。

この104名のうち77名の顔写真を用いて、20~30代の男女400名に「かわいい」「やさしい」「上品」「知的」「大人っぽい」「美人」「印象が良い」「親しみがもてる」の8種の特性について0~100段階のVAS(Visual Analog Scale)視覚的評価スケールを試験を実施しました。

さらに8種の特性それぞれにおいて印象が強かった20名の顔を解析しました。
その結果、8種の特性に認められる共通の因子を見出し、それらを合成した写真を以下に示します。

これを見ると目が縦に大きくて、目から下の顔の長さが短い(つまり顔の下半分の距離が短く顔に丸みが出ていると考えられます)場合は「かわいい」という印象になるそうです。
目が小さく、上がり眉で角ばっているような場合は「知的」というような印象を与えるそうです。
このように各種特性に関与している要素を具体的に導きだしました。

これらの結果は、FPSSの顔パーツ診断での評価方法と相関する部分が多くあります。

FPSSではもう少し評価項目が多いのでさらに実生活に準ずる結果を得ることができます。
ただ、いずれも平均顔を基本としてどんな要素がどのぐらい乖離しているか、そのミックス加減と具合がその人の外観的な味というか個性になり得ます。
それが、この研究結果からも明らかにされたということです。

このデータは、SUQQUやKATEなど化粧品分野にも進出している花王にとって、顔の印象を左右するパーツに関わるメイクアップ商材の改善や開発に役立ちます。

スタイリストにとっては、顔の印象をその人全体の印象につなげて、目的に沿った魅力を引き出す必要があります。
メイクが直接的に顔の印象を変えるのに対して、スタイリストはもともと持っている顔の印象を洋服や小物などの服飾品と調和させて増幅させたり、抑制して緩和することができます。
これらの匙加減を理論的に行い、様々な魅力を引き出すのが仕事だと思います。
簡単なようでなかなか普通の方にとっては難しいところです。

ちなみに、平均顔はモデルの方に多いそうです。
モデルは洋服の魅力を最大限にアピールすることが求められている職業なので、どのようなイメージの洋服も着こなさなくてはなりません。
自分の外観で洋服のイメージが変わってしまうと、職業上はやっかいなのかもしれません。

というと、なんだか自分がないようで、ネガティブな印象を受けるかもしれません。
しかし、逆にどんな洋服も似合ってしまうので、メイクも加えて自由自在のオシャレを楽しむことができる、なんともうらやましい特性だといえます。